送り手の「やってみたい」が、社会の元気を編んでいく
「オリジナリティ」を持つ“元気な会社”のヒミツを、電通「カンパニーデザイン」チームが探りにゆく本連載。第32回は、震災から間もない2012年に宮城県気仙沼市に創業した、ニット製品の製造・販売を手掛けるKESENNUMA KNITTING(気仙沼ニッティング)を紹介します。
東北の港町、気仙沼の地で一流のニットが生まれている。オーダーメードで、全て手編みでつくられ、その編み手は地域の女性たち。価格的にも地理的にも気軽に手が出せるものではないそのニットには、全国にファンがたくさんいて、1年半待ちの製品もあるという。
そんな気仙沼ニッティングの代表を務めるのは、気仙沼とは縁もゆかりもなかった御手洗瑞子社長。マッキンゼー・アンド・カンパニーでコンサルタントとして勤務後、ブータン王国政府の首相フェローとして同国の観光業活性化に取り組んだ、ユニークな経歴の持ち主だ。
一体、どうしたらこんなことが実現できるのか。そのヒミツを探っていくと、豊かな仕事とは何か、成長する企業に必要なものとは何かが、自然と見えてきた。
文責:天内駿士(あまないはやと)(電通東日本)
「始められる仕事」であり、「続けられる仕事」であること
「会社設立の経緯や背景について、お話しください」という型どおりの質問からインタビューは始まった。東日本大震災直後
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