経済学とは「市場取引を分析する学問」であり、経済学に登場する企業は、組織にもマネジメントにも言及されない「ブラックボックス」的な存在である―これが少なくとも伝統的なミクロ経済学の見方であった。このように単純化された企業のモデルは、複雑な資源配分の仕組みを分析する上では有効だが、その内部で経営者・従業員がどのように関与しているかについては、何も記述されていない。しかし現実には、むしろ取引の大部分が、非市場的な組織の内部取引として、価格メカニズムとは異なる方法で取引を行っていることが明らかになってきた。この企業組織を分析対象とするミクロ経済学の応用分野が「組織の経済学」である。その目的は、第一に企業のブラックボックスを開け、内部組織の様々な機能や特徴を明らかにすること、第二に、企業と市場を異なる資源配分のための仕組み・制度と位置付けて比較分析を行い、市場と企業の境界やある企業と別の企業との境界がどこで決まるのかを明らかにすることである。本エントリーではそんな組織の経済学のイントロダクション的な位置づけとして、組織の経済学の進展に貢献したノーベル経済学賞受賞者5人の主要な業績の概要を紹介する。続きをみる
Source: Note 起業ニュース
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