研究書評(2023/11/09)
論文名:地方自治体主導による再生可能エネルギーの生産・販売と新電力事業者の選択に関する住民意識の構造分析著者名:川波匠・高橋義文・佐藤剛史・矢部光保【選択理由】自治体新電力についての研究を継続していく上で、再生可能エネルギーをめぐる住民の意識との関係は切っても切れない関係であると考えたから。【本文要約】 本研究は、従来の大手電力会社から地元の新電力事業者への電力購入先切り替え行動に関する要因を分析した。その結果、新事業に期待している人ほど、切り替えに積極的であることがわかった。具体的には、地産地消に貢献できること、地域経済の活性化につながること、より安価で良質な電力サービスが提供されることに高い期待が寄せられているようだ。 また、分析の結果、電力サービスと共に付帯サービスも期待されている。具体的には、高齢者安心見守りサービス、災害情報・不審者情報提供サービスが挙げられる。 さらに分析を進めると、地元に愛着のある人ほど、新事業への期待が大きく切り替えには積極的であることがわかった。そのため、地元に愛着のある人が多く集まる地域行事などにおいて、宣伝・営業活動を行うことが有効であろう。 分析を踏まえた今後の課題として、筆者は本調査は電力の自由化開始前に行ったものであるためとして、以下の点を課題として挙げている。電力事業者変更に伴う料金等の「メニュー探索コスト」や「変更手続きコスト」等の阻
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