3編にわけて解説する、大正製薬とサントリーウエルネスの係争の2編目。係争に至るまでの経緯はどのようなものだったのか? 詳細を解説する【第2回】
大正製薬の主張はなぜ退けられたのか(※編注:大正製薬によるイメージキャラクターの起用をめぐる訴訟について、東京地裁、高裁ともに同社の主張を退けた)。背景には、「健康食品」カテゴリーをめぐる大正製薬とハットトリックによるプロ野球の契約更改並みの「銭闘」があった。
編注:大正製薬による、イメージキャラクターの起用をめぐる訴訟とは?
プロサッカー選手の三浦知和選手を自社のイメージキャラクターとしていた大正製薬。三浦選手の広告出演管理を行うハットトリックと広告出演契約を結んでいた。これを踏まえて、錠剤の健康食品サプリメント「リポビタンDX」の広告出演を打診したところ、ハットトリックは拒否。大正製薬との契約書には「錠剤」の規定がなく、すでにサントリーウエルネス(以下、サントリー)の「セサミンEX」の広告に出演させる決定をしたことが理由だった。大正製薬は21年1月にハットトリックを提訴するも、東京地裁は請求を棄却。大正製薬は23年1月に控訴したが、高裁も請求を棄却。これを受けて大正製薬はハットトリック、サントリーに対して“怒りの声明”を発表した。
大正製薬とハットトリックの間に何があったの
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