日本の医療政策と地域医療システムを読んで
「日本の医療政策と地域医療システム」という本を読みました。医療とは「人」を対象としたサービスであるため、人口動態の影響を最も受けやすいと考える。そして現在、世界一位の長寿国と言われる日本で最も重視されるのは「高齢者」だろう。しかし、高齢者とひとまとめにできないのが医療である。なぜなら、急性期、回復期、慢性期で必要としてくる設備、人材は大きく変わるからだ。この考え方が重視されるようになったのは、医療技術の進歩、疾病構造の変化(感染症から生活習慣病)によるものが大きいと考える。実際に2014年から、病床の機能を病期に分けて管理する動きが見られる。続くように、慢性期の医療と介護の境目が曖昧になっていく現状を踏まえ、「介護医療院」が創設された。医療法上は医療提供施設だが介護保険適用というむちゃくちゃな施設である。この施設のメリットは、医療ニーズの高い要介護者を受け入れられることだ。需要が増えればサービスが細分化されていくのは当然の流れだろう。しかし、支払い能力が低い高齢者を主体としたサービスを拡大していけば、財源が逼迫してしまう。この問題を解決するべく、国民健康保険の改革が行われた。財源の運営主体を市町村から都道府県に移すというものだ。より広域になれば、扱える財源が増えるため運営が安定化するという考えである。将来、都道府県の医療施策によって住む場所を決めることになるかもしれない。続きをみる
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