言葉の森:4
体が欲しているものがカロリーではなく、食感であるとした時に、食べてもカロリーを摂取しない方法が見つかれば、自分と同じ悩みを持つ大勢の人の気持ちを楽にできるのではないかと考えていました。
2023年5月17日掲載
Phantom Snack/食べていないのに食べているような
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口に何も入れることなく、「サクサク」「ポリポリ」といった咀嚼(そしゃく)の感触や風味を楽しむことができる「Phantom Snack」。「カロリーを取らずに食感だけを得る」というアイデアを、開発に携わったクリエイティブディレクターの和泉興氏は長年温めてきた。考案したのは、顔認識技術で検出した顎の動きに合わせて、プリセットされたクッキーやポテトチップスの咀嚼音と振動を骨伝導イヤホンからフィードバックする仕組み。さらに映像やアロマディフューザーを連動させることで、まるで本当に食べているような咀嚼体験が得られる。それは「食感」という人間の感覚を拡張すると同時に、人々を「カロリー摂取」の罪悪感からも解放する。応用も期待される。流動食しか食べられない人に食の喜びをもたらせないか。咀嚼は認知症予防にも効果があるとされる。確かな手応え、いや、歯応えを感じる技術である。
Source: 電通
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