経営の課題に、広告コミュニケーションで答えていないか?
今回は、経営の課題にクリエイティブで応える時に、陥りがちなことについて、一緒に考えていきたいと思います。
電通のクリエイティブセクションから巣立って、いろいろな企業で活躍している仲間がいます。いわば「Indwelling Creators(組織に「棲み込む」クリエイターサービス)」の実践版。その方々の経験談はとても刺激的です。先日も、とある人物がこんなことをおっしゃっていました。
「世の中は、コミュニケーションだけでできているわけじゃない」
文字に書き起こせば、そりゃ、当然のお話ですよね。しかし今回は特に広告業界の内側にいる方々と、このテーマについて考えたいのです。彼女は続けます。
「企業経営に携わる人間として、広告会社に相談すると、結局すぐキャンペーン的なアウトプットの話になるか、社内に既にあるような分析的な話になるか、そのどちらか。もっと本質的なことを話したいのに、なかなかそれができません。……なんて言っている私も、電通に在籍していたときはコミュニケーションだけで、もっといろいろなことが解決できると信じていたんだけど(笑)」
わが身を振り返っても、たとえば「牛乳の消費拡大」というテーマを、「広告コミュニケーションの問題」に転換して企画を進めた記憶があります。本来そこには生産や物流、商品企画や価格政策など多岐に
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