東大生と京大生への講演 その7
「アナリストよ、歴史家のように記述し、科学者のように分析し、芸術家のように共感し、哲学者のように思考せよ。」 2015年に東大生と京大生を相手にアナリスト業務について講演したことがありました。その講演内容をメモってくれた東大生のA君がいました。 8年前のものですが、懐かしく想い紹介します。■18■21世紀と20世紀との違いについて。多くの制約。持続可能性について。 21世紀とはどういう時代になるのだろうか。 日本の上場企業の経営者は悩んでいるはずだ。 60年代の高度成長期であれば、企業は環境意識を持たずとも、大量生産により業績の拡大を目指ぜばよかった。ところが、21世紀は、企業は、地球環境や人権意識など、広範な社会的な責任を果たしつつ、収益を確保しなければならない。収益の最大化だけを目指せばよい時代は終わった。 目先の収益の確保に走れば、従業員の大部分は派遣社員に置き換わり、社会の批判の矛先は企業経営者や投資家に向かう。 さらに、労賃の安い新興国において重労働を課すことは許されない。品質がよく、安いものであっても、それらを作るだけでは不十分となった。 企業は、地球環境保全に配慮し、人権を守ることが求められる。 自動車関連の企業であれば、「将来、きっと排ガスを出すような自動車は全面的に禁止になる。私たちの会社はそのとき、社会にとって不要となる」といった深刻な悩みと経営者は対峙し、苦し
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