「コンセプトの教科書」を読んで
仕事仲間や学生から評判を聞いて、細田高広さんのご著書「コンセプトの教科書 あたらしい価値のつくりかた」を読みました。
「様々なビジネスシーンで汎用的に使えるような学びの体系は見当たりません。1冊でコンセプトの基本を身につけられる教科書はないものか。誰より必死に探してきたのは、ほかならぬ私自身でした」という巻頭のご指摘は、「アイデアの教科書」と「コンセプトのつくり方」という著作を世に送り出したぼくの立場からすると厳しいものでしたが、なるほど、これは話題になるのもわかる内容でした。
同書の最大の特徴は、すぐに実践で試せる指南書だという点です。スターバックスのような有名なもの(サードプレイス)から初めて目にする事例まで、豊富なエピソードとともに、すぐれたコンセプトを生み出すための具体的な方法が丁寧に説明されています。
たとえば、コンセプトを「1行化(キーフレーズ化)」する手法としては、
「通過する駅から、集う駅へ」(JR東日本エキュート事業)のような「変革話法」、
「衣替えがいらない服」(研修の事例)のような「不の解消法」、
「空飛ぶバス」(サウスウェスト航空)のような「メタファー法」、
その他にも「反転法」「矛盾法」など、計10種類もの基本構文が紹介されています。
コンセプトづくりに悩む実務家は、これをひとつひとつ試すことで思考が
コメント