為末大氏の近著「熟達論」に思う
為末大さんに「いま、気になっていること」について、フリーに語っていただくウェブ電通報の連載インタビューコラム「緩急自在」。今回はその番外編として、本日(2023年7月13日)為末さんが上梓(じょうし)された書籍「熟達論」(新潮社刊)を題材に、「人間はいかに学び、熟達の道を歩むのか」という深遠なるテーマについて、連載形式で掘り下げていきたいと思う。
一回目の本稿では、長年、為末さんとともにアスリートブレーンズというチームを組み、プロジェクトを進めている電通Future Creative Centerの日比氏に、この本への思いを語ってもらった。
(ウェブ電通報編集部)
トップアスリートはすばらしい。だが、考えてみると、人間である以上、誰しもが生まれてから後、さまざまなことを身につけるのだから、共通した学習システムがあるはずだ。
ひとは、どうやって学んでいるのだろうか?なぜ、うまくなるのだろう?学習していく中で、その人の内側で何が起きているのか。何が、その人の成長を阻害するのか。どうやって、その問題を解決しているのか?
陸上競技というもの本質を夢中で探求していくうちに「自分という存在を通じて人間を理解していくという感覚があった」と為末さんは言う。何かができるようになることで、自分自身が変化していく、進化していくとい
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