098 グローバルなイノベーションを起こすために
これまで私たちは、多くの文化や技術を欧米始め、多くの国から学んできました。そして、欧米も、アジアのもつ異質さ、その価値観に目を向けようとしています。いまやIT技術の高度化によって、空間的な距離をものともせず、コミュニケーションすることを可能にしてきました。また輸送機器の発達によって、物理的な移動も、つい60年ほど前までは東京から大阪へ出張するのに8時間もかかり、1泊が必要だったことさえ信じられないほど手軽になりました。距離という障害が亡くなり、また、国境という障害が開かれるようになったいま、市場は国内より、国外を包含して広大になっています。そんな時代には企業の思考・行動範囲もよりクローバルなものが求められます。1978年、鄧小平が中国共産党第11期中央委員会第3回全体会議で打ち上げた改革・開放政策を受けて、安価な労働力を求めて、多くの国の企業が中国に進出し、ものづくりの場が国内から海外に移動しました。中国の開放政策に刺激されて、多くのアジアの国々でも改革が進められ、ものづくりの現場は滝つぼに水が流れ落ちるように、アジアへと移っていきました。そうした国々では、産業の発達とともに、給与所得者が育ち、いまや、製造の場としてだけではなく、購買力を持った消費市場として重要な意味を持つようになりました。大きなマーケットをもつそうした国々と良好なビジネスを展開するためには、お互いの理解が不可欠で
コメント