091 日本の経営者は大きな絵を描かない?
例えば、こんな話があります。いま、タブレットPCは教育の場などにも導入されるようになって、大きな市場を獲得しています。この分野を切り開いたのはアップル社ですが、実は、タブレットPCが商品として販売される数年前、ある日本の企業の技術部門で、キーボードをなくした液晶のPCが試作されていたそうです。まさにタブレットPCです。「これは面白い」ということで技術部門から、商品開発の提案がなされたそうですが、トップを交えた商品開発会議では、新製品としてゴーは出されなかったそうです。数年後、アップルからiPadが発売され、ヒット商品として市場で飛ぶように売れていくのを横目で見ながら、技術者たちはやるせない気持ちになったといいます。 提案を受けたマネジメント層は、こうしたものへの需要があるという予測ができなかったのでしょうか。リスクを恐れたのでしょうか。もしそうだとすれば、経営者としては資格ですが、そうした経営者を評価する機能が、内部にあるのでしょうか?イノベーションを興すような新製品が日本の企業から提案されない、ものづくりがガラパゴス化している・・・と言われる実体はむしろ、日本の経営者のこういう姿勢にあるのではないかと思います。全てがこの調子で、新製品が生まれなくなっているというわけではないと思います。しかし、この話しを聞く限り、問題はものづくりではなく、高度なものづくりの技術を活かせないマネジメ
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