日本は生産性が低い?に異論あり
米国の工場で生産技術者をしています。「日本は欧米に比べ生産性が低い」という議論がよく聞かれますが、これに疑問があります。 私は日本の製造現場で経験を積み、日本の「カイゼン」手法を米国の製造現場に根付かせることを業務としています。この経験上、日本と米国の製造業の特徴、細かな違いが良く分かります。 日本と米国、両者の製造現場に入ったとき、日本の生産性は米国より高いと感じます。これは僅差ではなく、見るに明らかな、圧倒的な違いです。 日本の製造現場はキレイです。製品ロスが少なく、人が少なく、設備故障も圧倒的に少ない。設備オペレーターやメンテ技術者のスキルも高い。それに比べると米国の工場現場はひどいものです。定性的な目で工場内部を見渡した時に、日本の生産性は圧倒的に高い。それではなぜ、「日本の生産性は低い」と言われるのか。それは「生産金額/時間」という生産性の定義に起因するカラクリだと私は思っています。 ひと言で言うと、アメリカでは効率が低いために製造原価がブクブク膨れ上がる。その結果高価な物が市場に出回ることで「生産性が高い」となってしまっている、という側面があると考えています。 ラーメン屋で言うと、800円でラーメンが食べられる日本に対し、米国のラーメン屋を出るときにレシートの会計が3,000円だったりすると「うわっ安っ!」という感覚があります。日本ではワンオペのラーメン屋なんてよく見ま
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