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1612 『道具としてのファイナンス』

◇1612 『道具としてのファイナンス』 >石野雄一/日本実業出版社(2017.10.23)ファイナンスを理論ではなく実務の世界に落とし込んで著述するというコンセプトの意欲作。筆者は米国で苦労してファイナンス理論を身につけ、それを日産で実践したという経歴。それ故に、実務に根差した理論が学べるのではないかと期待して読み始めた。また、エクセルを駆使すれば難しいファイナンス理論も事務で使いこなすことができるというのも魅力的に映った。そんな筆者の心意気が感じられるのが次の一文。「ファイナンスはツール(道具)にすぎない」「分析するだけなら誰でもできる。それをどうアクションに結びつけていくかだ。マネジメントの意思決定に使えないものは単なる自己満足にすぎない」さて、読了したのちの正直な感想は、次のようなもの。・知識としては知っているものが多く、普通の入門書と変わらない。・思ったほどエクセルでの計算テクニックが出てこなかった。・第6・7章は結構難しかった。(デリバティブやブラックショールズモデル)・下記に列挙する、実務に根差したファイナンスの本質を言語化している点がよかった。という訳で、個人的に「あぁそうだったのか」と腹落ちした理屈(ファイナンスの目的)などを列挙しておきたい。・企業が行うべき3つの意思決定:(1)調達した資金をどこに、いくら投資すべきか(投資に関する意思決定)(2)投資のための資

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