川島聡ほか「合理的配慮 対話を開く 対話が拓く」
何をやってもすごい人っています。どんな分野であっても、それが本人の一番得意なことみたいにうまくやり、周りの人からもとても評価されます。ぶっちゃけその人が全部やった方が早くて質が良いんじゃないか、みたいな感じです。でも時間は万人に平等に与えられているため、いくら並外れた能力の持ち主であっても、全ての仕事をその人が担うというのは現実的に不可能です。だから、仕方なく、他の人と分担しながらやっている、という風に見えていたりします。でも、これは本当は違うんじゃないかと考えています。他の人が得意なことは他の人にやってもらい、すごい人はその人が一番得意なことをやってもらうのがうまくいく、というのが現実だと思います。学生時代に「リカードの比較生産費説」というのを学びました。A国は鉄の生産も絹織物の生産も技術が高く、低コストで生産可能です。B国はいずれの生産技術もA国に劣りますが、B国の中では、絹織物の方が低コストでできる、だとしたら、AとBは自由貿易を行い、A国は、B国から絹織物を購入して、その分を鉄の生産に充てて、B国に販売した方が、結果として効率がよい、というものです。これは国と国の間の話なのですが、人と人の間にも応用できるのではないかとぼんやり考えていました。つまり、職場における事務分担です。部下と一緒に仕事をするようになって、特にそういうことを考えるようになりました。誰に何をやってもらうの
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