ビジネスにおけるデザインとは
一般的に「デザイン」と聞くと、グラフィックデザインや建築意匠など見た目の問題を想起しがちだが、近年これらの見た目に関わるデザインを狭義のデザインと定義し、ユーザー体験やビジネスモデルなど、より広範なものをデザインの対象とする広義のデザインという考え方が生まれ、ビジネスへの活用が進められている。デザイン思考やサービスデザイン、UXデザインといった流行りの用語もこの広義のデザインに位置づけられる。一方でデザインという言葉が対象とする範囲が広がったことにより、組織や人によってデザインが指す内容が異なり、わかりづらさを生み出している。今回私が留学先で学んだビジネスデザインとは、顧客(ユーザー)起点でビジネス課題を解決するための方法論を指す。 顧客起点とは読んで字の如しであるが、そもそもビジネスで成功するためにはDesirability(顧客ニーズがあるか)、Feasibility(リソース・技術的に実現可能か)、Viability(経済性・持続可能性があるか)の3つの要素を満たす必要があり、そのうちDesirabilityの検証からスタートすることを指している。言われれば当たり前のことのように感じられるが、現実には顧客ニーズを検証しないまま技術や社会トレンド、競合環境を起点にして商品やサービスが生み出されるケースが多い。 顧客起点で問題解決を行うためには、前提として事業者は顧客のことを
コメント