「アルゴリズム」を活用したトヨタのデジタル変革とは?
トヨタ自動車(以下、トヨタ)は、自社のデジタルトランスフォーメーション(DX)推進のため、「アルゴリズム」の活用に力を入れています。
2022年6月には、競技プログラミングコンテストを提供するAtCoderと提携し、新組織「デジタル変革推進室 アルゴリズムグループ」を発足。本連載でおなじみのAtCoder社長・高橋直大氏が担当部長としてトヨタにジョインし、プロジェクトリーダーを務めることになりました。
そこで今回は高橋氏が、トヨタのデジタル変革を推進する泉賢人氏、福島真太朗氏、軸丸晃年氏のお三方にインタビュー。アルゴリズム開発を通じたビジネス課題解決、そして、トヨタのエンジニアがアルゴリズムを学ぶ意義について語り合いました。
トヨタのミッション「幸せの量産」をデジタルが強化する
高橋:AtCoderとの取り組みを始める前から、トヨタではさまざまなデジタル変革に取り組んでいらっしゃいましたよね。デジタル技術の発展にともない、自動車業界では今、どんな変化が起きているのでしょうか。
泉:近年、自動車業界では制御システム、コックピット、マルチメディア等、デジタル領域の内製化が進んでおり、われわれもその必要性を感じています。現在、トヨタは3つの領域でデジタル技術を適用しています。第一に、クルマに組み込むデジタル技術。第二に、社内業務のデジタル
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