メンバー育成と配置転換
ピョートルフェリクスグジバチ氏の心理的安全性最強の教科書と言う本を読んだ。読み始めた時は、心理的安全性に関する誤解があるなぁと言う印象を持っていたが、読み終えて、特にメンバーの育成について考えさせられることがあった。多くの日本企業は、メンバーを育成することが、マネジメントの大きな役割のひとつと考えられていると思う。実際、私もそうだ。ところが、この本では、育成に対して、マネジメントとしてもちろん一定の努力はするが、どうしてもパフォーマンスが上がらない場合は、むしろパフォーマンスが上がる部署へ配置転換することを薦めている。ある意味、とても外資的なアプローチではあるが、解雇ではないところが、日本企業でも積極的に採り入れられるべきアプローチだな、と思った。マネジメントとしてメンバーを抱えると、目標達成のために何とかパフォーマンスを上げるためのアプローチをするのは当然である。一方で、そのアプローチに工数を取られてしまうと、本来やるべき仕事の工数が無くなってしまう。これは、メンバーにもマネージャーにも良くない。また、ここ数年労働市場も流動化が進んでおり、人材を固定化してしまうのは、マクロの視点でも良くない。これから、人材の流動化が進んでいく中で、メンバーをどこまで育成するのか、どのように配置転換を進めるのかは、マネジメントの大きなテーマになるような気がする。
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