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ポジティブ・デビアンス(PD)

 事業構想のための戦略(ビジネス)【Ⅲ−9】 ジェリー・スターニン(Jerry Sternin)は、セーブ・ザ・チルドレンのディレクターやハーバードビジネススクールの学長補佐などを歴任したPD(Positive Deviance:ポジティブ・デビアンス)イニシアチブの創設者である。 スターニンは、ベトナムの貧村の栄養失調を減らすため、食料を持ち込み、外部から農業技術を導入したが、資金不足で計画は頓挫、別の解決策を模索した。そこで、問題を抱えた村へ赴き、村の中で最も栄養状態がよく、標準からのポジティブな逸脱(PD)を示す子供たちを特定した。貧しい家庭でありながらも栄養状態の良い子供たちの母親は、子供が下痢をしても食事を摂らせたり、食事回数を少量数回に分けたり、さつまいもの青菜をご飯に混ぜたりと、これまでの地域の常識を覆すような様々な方法をとっていたのであった。その後、このアイデアは普及し、定着した。 つまり、PDとは、あらゆる困難に打ち勝って成功した外れ値を探せということである。ハーバード大学パブリックリーダーシップセンター共同創設者のロナルド・ハイフェッツ(Ronald A. Heifetz)は「技術的問題」と「適応課題」という有益な分類をしている。「技術的問題」は技術的に解決できるもので、「適応課題」とは社会的複雑性の中に埋め込まれており、行動の変化を必要とし、意図しない結果を招

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