”高信頼性”と”低コスト”の破綻2023年3月7日、延期されていたH3ロケットの打ち上げが遂に実施され、結果はペイロードを目標軌道に投入することができず、失敗となった。H3ロケットは近年の国際的なロケット打ち上げ産業の競争激化を受け、”高い信頼性”と”低コスト”を両立する、世界の打ち上げマーケットで市場競争力のあるロケットとなることを目指して開発されてきた。そのような開発経緯があった中で、この最初の打ち上げ失敗はH3の‘’高い信頼性”を示す上でとてつもなく大きな壁となったことは間違いない。大規模なロケット打ち上げの成功率はおよそ95パーセントといわれており、50回以上の打ち上げで1度しか失敗していない先代のH2A・H2Bロケットと同水準の”高い信頼性”が世界に認められるためにはあと49回連続で成功させないといけないのだ。実際これだけの成功をこれから積み重ねることは技術的に難しいことはもちろんのこと、年に数回しか打ち上げがない日本のロケット打ち上げ頻度を考えるとそれだけの打ち上げを実施するために10年近くかかってしまうということがあまりに厳しい。これは、今後10年近くはH3は高信頼性、すなわち打ち上げ成功実績という観点で世界のロケット打ち上げマーケットで大きな後れを取ることを意味する。続きをみる
Source: Note 起業ニュース
コメント