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ただ早く行動すればいいってもんじゃない (リバイバル)

近年ビジネスの世界では、「アジャイル(Agile)」という言葉がブームになっている。「機敏な」や「敏捷な」という意味で、英検1級以上レベルの単語のため、普通は目にしない言葉である。ちなみに、日本が誇るタイヤメーカーのパナレーサーが理想を追求して生み出したのが、アジリスト(Agilest)という自転車レース用のタイヤで、この名前はアジャイルの最上級を示している。超スーパーウルトラ敏捷なタイヤである。アジャイルは、もともと「アジャイル開発」という言葉で、タイヤではなくITのソフトウェア開発の領域から出てきている。これは、ソフトウェアを実際に使うお客さまの満足度を優先し、できるだけ早く実際に動くモノをお客さまに提供する。いまいちならすぐに修正し、よりよいものを機敏につくるアプローチである。今の世の中は、「私、アジャイル開発できます!」と言えば、どんなソフトウェア会社でも就職できる、そんな時代になっている。そして、ソフトウェア開発だけではなく、企業経営や組織設計にも、その領域を拡大中である。とくにデジタル変革との親和性が高いこともあり、その動きは加速している。ここで根底に流れるのは何かというと、行動様式の変化である。開発プロセスや経営や組織をアジャイルに変えることが重要なのではなく、自らがアジャイルになることが重要であるといわれている。そしてこの流れの延長として、個人に対して何が起こってい

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