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会社は誰のもの

 会社は誰のものか、という話が話題になった時期があった。株主のものか、社員のものか、経営者のものか、はたまた社会のものか。 当時はかなり議論されたものだが、最近はあまり聞かなくなった。 この話、今思えば質問自体が間違っている。 会社は誰のものという質問には誤った2つの前提がある。ひとつは会社がものである、あるいはものと呼べるものであるということ。もう一つが、会社は誰かに所有されるものであるということ。 まず、会社がものであるかどうか。 会社はものではなくて機能だ。もっと言えば会社は概念だ。当然ながら社屋が会社な訳では無い。誰のものという質問が物かどうかを問うのではなく、誰の│ための《・・・》ものかと問うのであれば、物かどうかは問題にはならないが、そうなると今度は、「誰の」という部分が引っ掛かる。特定の誰かのための機能ではないからだ。 会社にはいろいろな機能がある。その一つが誰かのためになっていることはあっても、会社の全てが誰か特定の人のためではない。会社での仕事は会社そのものの為でもあるが社員の為でもある。つまり仕事場を提供するという機能だ。会社で造って販売しているものや提供しているサービスは社会のためだ。そして会社の利益は株主のためだ。働いてもいないのに出資しただけで利益の一部を貰えるなんて株主はズルいという見方は残念ながら根強そうだが、資本がなければ会社が成り立たないし、出資し

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