アスリートブレーンズ為末大の「緩急自在」vol.31
為末大さんに「いま、気になっていること」について、フリーに語っていただく連載インタビューコラム。唯一、設定したテーマは「自律とは何か、寛容さとは何か」。謎の「聞き手」からのムチャ振りに為末さんが、あれこれ「気になること」を語ってくれます。さてさて。今回は、どんな話が飛び出すことやら……。乞う、ご期待。
──前回(#30)に引き続き、今回も「数字とは、どういうものだ?」というテーマにお付き合いいただきます。
為末:よろしくお願いいたします。
──前回の「アスリートにとっての数字」に続く今回は、為末さんのもう一つの顔であるところの「経営者にとっての数字」という切り口でお話を伺おうと思います。
為末:経営者にとって、もちろん数字は大事ですよね。売り上げや利益率、株価などなど。コストの削減や効率化といったこともそうですよね。端的に言うなら、要するにおカネです。でも、アスリートにとっての記録や、学生の頃のテストの点がそうであるように、それだけで全てを表せるわけではないんだろうと思います。
──おカネという数字は、分かりやすいですからね。
為末:おカネを全ての指標としていい時代では、数字だけを追いかけることが有効に機能していたのだろうと思います。
──でも、今はちがいますよね?「心の豊かさってなんだろう?
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