シリーズ「ヤル気を伸ばす」(その1):専門分野と社会的役割の違い
今から20年以上前になります。当時私はビジネスパートナーとともに組織の人事改革の仕事に取り組んでいました。私が主に追究したテーマは仕事に対するモチベーションの問題でした。単純な話、能力もヤル気もある人は、仕事へのモチベーションが下がることはありません。それでもモチベーションが下がるとしたら、外的な阻害要因が働いているからです。阻害要因には様々ありますが、そのひとつを挙げるなら「自分の得意でないことをやらされている」ということです。では、「得意なこと」とは何でしょう?意外に皆さん「得意」とは、ある仕事をする上での知識や経験やスキルのことだと思い込んでいないでしょうか。実は、知識や経験やスキルは、モチベーションがあれば後からいくらでも身につけることができます。つまり、これらはモチベーションに先立ってあるわけではない、ということです。あることに「モチベート(動機づけ)されている」とは、そのことが得意か否かに関係なく、そのことに興味があり、人に言われなくても自主的にそれをやり続けることであり、それは傍目には「そんなことよくやるよ」と思える何かであり、「やめろと言われてもやめられない」何かです。ここで、いわゆる「専門分野」と「社会的役割」の違いについて触れておきます。ここに、AさんとBさんという二人の弁護士がいるとします。もちろんこの二人の「専門分野」は「法律」です。しかし、Aさんは法律につ
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