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哲学対話が組織に起こす「小さな変革」

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多様な価値観が広がる現代。企業も社会における自社の存在意義を打ち出すことが重要になっています。その中でいま、日本でも注目され始めているのが、企業理念の形成や研修における「哲学」の導入です。

哲学をいわゆる「思想」としてではなく、「方法」として取り入れる「哲学対話」のメリットや考え方などを紹介する本連載。第1回では哲学思考や哲学対話とはそもそも何かについて紹介しました。

今回は、電通コーポレートトランスフォーメーション部の中町直太氏が、東京大学「共生のための国際哲学教育研究センター(UTCP)」センター長の梶谷真司氏にインタビュー。哲学対話が企業にもたらす効果や哲学者から見た日本企業の課題などについて伺いました。



「きちんと話をする」経験を、ほとんどの人はしてきていない

中町:まずは、梶谷先生がこれまで哲学対話・哲学思考等のプログラムを企業で実施してきた中で、教育現場や地域で行うときとの違いや、ビジネスパーソンならではの反応と感じたところがあればお聞かせいただけますでしょうか。

梶谷:例えば学校で哲学対話を行う場合、生徒たちはやる気がなければいかにも気乗りしない様子ですし、先生の中には反感を持つ方もおられます。ところが、企業の方々は「哲学対話って?」と戸惑う様子はあっても、仕事の一環なのできちんと取り組んでくださる印象です。

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