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自社の理解と越境した交流がイノベーションを産む 〜0→1という言葉は解像度を下げる

「カギは顧客とのコミュニケーションだ」と大橋氏は言う。「顧客が『これが欲しい』と言ってきたとき、すぐ対応できるように準備しておく必要がある」味の素の「非食品ビジネス」がすごすぎた0→1という言葉が世の中に溢れているが、本質的には0→1など存在し得ない。それをきちんと理解して使っているのかは甚だ疑問な者ばかりだ。なぜならば、イノベーションはゼロからは生まれることはないからだ。人類は叡智を積み重ねて、集合知として知識を遺伝させ、イノベーションを積み重ね、社会をより良くしてきた。災害もパンデミックも無知によるジェノサイドも、テクノロジーの進化によって乗り越え、より良い未来を作ってきた。そのすべてのイノベーションはゼロから急に発現したものではない。誰かの探求と誰かの探求がぶつかり出会ったその瞬間に、イノベーションの閃きが起こる。イノベーションを起こすプロセスは科学(再現性のある仕組み)に出来ても、イノベーションの起点は運と閃きによって起きるものだ。科学できるのは、その運と閃きのためにどのような準備をするかだけ。イノベーションに挑むならまず自社の徹底的な理解をすべきだ。イノベーターを志すならばこそ、自社の強み、アセット、技術を誰よりも知る人になるべきだ。そして次に越境した交流に挑む。薄っぺらい異業種交流や浅い知識しかない意識高い系ではなく、異分野で深く深くコトを追求している人たちと。自らのパ

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