世界の市場関係者が物価動向に注目した2022年を締めくくるのにふさわしい、新書。元日銀マンで物価研究の第一人者である著者が、2021年以降の世界的なインフレの原因とメカニズムを分かりやすく解説している。 アメリカのインフレは、需要よりも供給サイドの要因が強く(労働者の大量退職によるフィリップス曲線の上昇)、新型コロナを原因とする需要の変化が世界全体で同期的に発生したため、他の国で生産を代替することができなかった点に特徴があると指摘する。 日本の物価がなぜこれまで上がらなかったのかについても言及しており、日本政府が「価格転嫁」→「賃上げ」の順番ではなく、「賃上げ」→「価格転嫁」の「半時計周り」のプロセスによって物価上昇を図ろうとした点に限界があったとの指摘は興味深かった。 物価動向は2023年も市場の大きな材料となる可能性が高いため、改めて全体像を整理し、今後の検討したい人におすすめの本。続きをみる
Source: Note 起業ニュース
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