世界の食料需給がひっ迫している。コロナ禍による物流の混乱や、ウクライナ戦争により食料が値上がりしたのも記憶に新しいが、近年相次いでいる異常気象は今後も起こると予想され、世界の農業生産の見通しに暗い影を落としている。そんな中、世界の「土」問題がいよいよ深刻化していると、東京大学大学院教授の鈴木宣弘氏は指摘する。化学肥料・農薬は農業生産を飛躍的に高めたが、その反面、土壌の劣化をまねき、「土がパサパサになってしまった」と鈴木氏はいう。
その結果、洪水などの影響を受けやすくなったほか、人体にも思わぬ被害が生じかねないという。近代農業の普及により、化学肥料や農薬が多用されたことで、土壌の中の微生物が減少し、土の中の生態系が破壊されつつある。前編記事に引き続き、鈴木氏の著書『世界で最初に飢えるのは日本』(講談社+α新書)より一部を抜粋してお届けする。
Source: 現代ビジネス
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