「建築生産」とは何か「建築生産」とは、狭義には、設計情報をもとに現地に建築物を構築する行為、いわゆる「施工」のことを指しています。しかし、現地・現物による施工を成り立たせるためには、現地で建設作業を行う施工者だけでなく、設計者・協力業者・メーカーの協働作業が必要になります。本稿では「建築生産」を、「多数のステークホルダーからなる協働作業を通じて建築物の構築を目指す一連のプロセスである」と定義してみます。しかしこのような、協働作業の総体としての「建築生産」を包括する制度や法規は明示的には存在していないのが現状です。例えば、建設業や請負に関する取り決めである建設業法において、建設業は29の業種に細分化されていますが、これらの業種の中には図面の作成を行う設計業や、建材や部品の製造を行ういわゆるメーカーは含まれていません。また、設計に関する取り決めである建築士法においては、設計業務とは「その者の責任において、設計図書を作成すること (建築士法 2 条5項)」と定義されていますが、実際の設計業務は行政との打ち合わせや設計条件の整理、発注者への説明などを含み、法文よりもより広汎な領域が設計者の行う業務になっているのが実態です。 (1)続きをみる
Source: Note 起業ニュース
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