平成バブルとバブル崩壊時期に、日本の金融界は反社会的勢力による大規模な侵入を許し、これが平成金融危機後の長期停滞の原因のひとつになった。バブル期の地上げをはじめとするフロント企業の暗躍、バブル崩壊期の反社会的勢力による債権回収妨害、その対処に当たった日銀・警察・検察・国税(査察)・裁判所出向者から構成された預金保険機構の人々の生々しい経験を描いた海棠進『ヤクザと金融機関』(朝日新聞出版)が上梓された。元日本銀行員・元預金保険機構職員の海棠氏(筆名である)は、預金保険機構大阪業務部時代に、とある京都の名庭をフロント企業が占拠した事件、敦賀地方の反社会的勢力が建設した豪邸とバックにある原子力発電所の事件、バンク・オブ・アメリカを経由したマネーロンダリング案件、和歌山県で暴力団組事務所に強制執行をかけ建物を暴力団追放県民センターに生まれ変わらせた件、悪質不動産業者が登記官を買収して不法登記を行った件などに対峙している。それら驚愕の事件の詳細については著書にあたっていただくとして、そもそもバブル期前後に金融機関と反社会的勢力の間で何が、なぜ起こり、どうやって解決し、その教訓は何なのかについて、海棠氏にメールインタビューをお願いした。
Source: 現代ビジネス
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