1960年代、北朝鮮は「地上の楽園」であるという偽りの宣伝文句で、「北への送還」旋風を巻き起こした。1959年12月14日から1984年まで、93,339人が北へ送還されたが、その多くは「楽園」とは偽りの「地獄」での生活を余儀なくされ、いまも苦しんでいる。では、約9万3千人の北へ送還された在日同胞のうち、現在どれくらいの人々が生存しているのだろうか。この疑問は、「北への送還事業」を知っている多くの人々の関心事である。しかし、現在、北への送還問題の真相解明と解決方法は、歴史の渦の中、露のように消えかけている。そこで在日脱北者である著者は今回、多くの統計からその実態を洗い出す作業を行った。そこから浮かび上がってきた「現実」とは――。
Source: 現代ビジネス
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