世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 山口周
ビジネスセンスのある人は美意識がある。それを証明したのは、アップル創設者スティーブジョブズだろう。この本は、「美意識」がどのようにビジネスと関わるのか、そして美意識の鍛え方などが説明されている。ビジネスと美意識は深く関わっている。売れるものには「安いもの」「流行のもの」「デザインがいいもの」など様々な理由があるが、中でもデザインンの良さによりブランド化に成功した製品はよく売れる。みなさんはMBA(Master of Business Administration)を知っているだろうか?経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位のことだが、筆者はこのMBAを否定している。理由が、MBAで学ぶビジネススタイルに美意識が含まれていないからだ。ビジネスを成功させるためには戦略が必要だが、ブランド化がなぜ難しいかというと予測できないからだ。ビジネスで売れるものをデザインに焦点を当てて考えると百発百中で成功するとは限らない。そのため、MBAのような企業を儲けさせるための戦略には美意識は含まれないのだ。美意識を含まない経営戦略は筆者曰くレッドオーシャンで、製品やサービスを売るために価格競争になりかねない。そうなると最終的にどの企業が利益が少ない価格競争に耐えられるかの我慢勝負になってしまう。アートの分野はどうしても他の分野に比べて順位が低い。芸術などの感性に関わるものは不確実性であるため、
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