BCN 視点 #32 「アジャイル開発の“食わず嫌い”をやめよう」 (2011年3月31日)
今年もAgile Japanが4月15日に開催される。今年は東京だけでなく、札幌、仙台、富山、名古屋、大阪、松江、岡山など全国のいくつかの都市で同時開催される予定だ。午前は、東京での基調講演が全国のサテライト会場にユーストリームで同時中継され、午後は地域ごとに独自のプログラムが準備されている。アジャイル開発に関心をもつ人、実践している人が全国に増えている証拠だろう。 1年前にも、このコラムに書いたが、アジャイル開発とは、短期間で反復(イテレーション)を繰り返すソフトウェア開発手法の総称であり、スクラム、エクストリームプログラミング(XP)、FDD(機能駆動開発)などさまざまな手法が考案されている。最大の特徴は、ソフトウェアの仕様を固定せず、変化する環境やユーザーニーズに柔軟に対応しつつ、必要な機能から実現し、完成したものからユーザーにリリースしていく点にある。「プロセスやツール」よりも「人とコミュニケーション」を、「ドキュメント」よりも「動作するソフトウェア」を、「契約交渉」よりも「顧客との協調」を重視することがアジャイル開発の共通点である。 アジャイル開発は、米国ではすでに最も主要なソフトウェア開発プロセスとして定着している。調査会社のフォレスターリサーチが昨年1月に発表したレポートによれば、「現在利用している開発プロセス」を尋ねた質問に、35%がアジャイル開発を挙げている
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