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まほうびん記念館に見るプロの矜持とおもてなしの心

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企業ミュージアムは、「ミュージアム」というアカデミックな領域と「企業」というビジネス領域の両方にまたがるバッファーゾーンにある。そして運営を担う企業の広報、ブランディング、宣伝、人事などと多様に連携する組織である。本連載では、企業が手掛けるさまざまなミュージアムをPRのプロフェッショナルが紹介し、その役割や機能、可能性について紹介していく。


夏の暑い日でも冷たい水は冷えたまま、冬の寒い日でも温かいお茶は温かい。運動会や遠足など、子どもの頃からお世話になってきた魔法瓶。外出先や自宅で、涼や暖をとるその一杯に誰しも一息ついたことがあるだろう。これまで、魔法瓶の仕組みなど気に留めることもなかったが、あらためて考えれば、「魔法の瓶」とはよく言ったものだ。だが、ものづくりには魔法はない。本稿では魔法瓶の歴史とその仕組みをひもときながら、「まほうびん記念館」の魅力を紹介していきたい。

取材と文:中川郁代(電通コンサルティング)


象印マホービン本社(大阪市北区天満)の1階にある「まほうびん記念館」、右の館内の様子は筆者撮影


魔法瓶の技術と魅力を伝える発信基地

残暑が続く8月下旬の大阪、筆者は北区天満にある「まほうびん記念館」を訪れた。同記念館は象印マホービンの本社の1階にあり、同社が運営している。あまりの暑さに入館前、持参したマイボト

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