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『バリュエーションの教科書』

○1801 『バリュエーションの教科書-企業価値・M&Aの本質と実務』 >森生明/東洋経済新報社バリュエーションというタイトルになっているが、私には筆者の哲学的なところまで感じてしまった。また、一程度のファイナンス理論の基礎を身につけていないと、本書を読むのは少ししんどいかもしれない。本書が難しいと感じた方は、一度ファイナンスの基本書を読んでから、もう一度本書を読むことをお勧めしたい。さて、本書を読んで考えたのは「株式上場している意味」である。筆者の哲学とも言える株式上場に対する考え方を、私なりの理解で書き留めておきたい。(引用しようと思ったのだが、随所に筆者の考えが散りばめられているので、それらを統合した考え方を書いておいた方がよいと判断)・株主とは、返してくれと言えない出資という形態で、利益が出なければ配当は無く、業績が悪いと株価が下落=自分が出資した出資金が目減りし、最悪紙くずになってしまうかもしれないリスクの高い形で、資金を提供してくれている存在である。・株主資本コストを算定するという作業の本質は、上記のようなリスクマネーに投資してくれる投資家は、どれほどのリターンを要求するかを推定することである。資本コストとは投資家にとっての機会費用(オポチュニティコスト)である。投資家は他に投資する機会を犠牲にして、会社に投資しているのだから、経営者はその機会費用である資本コス

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