金言715:古き良き時代の小話
昔々、東京港の埋め立て地で「世界都市博覧会」というイベント計画がありました。このイベントを中止するという公約を掲げた候補者が都知事に就任し、公約通り博覧会は中止になりました。ただし、開催に向けて多くの私企業が先行投資をしていました。たとえば、開催会場予定地にホテルがふたつ建設されていました。一つは、イベント中止で集客の見込がたたず、開業を見送りました。もう一つのホテルは予定どおり開業しました。ここで明暗が分かれました。博覧会が中止されたにもかかわらず、埋め立て地に開業したいくつかの複合施設が大人気となり、にわかに活況を呈し、そのおかげで開業したホテルは特需の恩恵を受けました。開業を強行したホテルの経営陣は、開業時のビッグイベント中止で集客の期待ができないため、赤字を覚悟しました。そこで傷口を広げないためホテルオープン時の幹部スタッフのコストを削減しました。業界でささやかれたのは、一流ホテルの2流3流のスタッフを採用して人件費を抑えたということでした。(大手ホテルから転職したB級ホテルマンは2階級特進のポストを手に入れました。)開業すると、このホテルは大化けし連日たくさんのお客さまが足を運びました。会社としては、想定外のうれしい誤算であったことでしょう。一流ホテルの即戦力のスタッフを割安で活用し、業績は大盛況となったので粗利益は膨らみました。もちろん、ホテルが話題になり、人が集まり、
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