うつくしいくらしかたとはなにか<後編>
前回に続き、自然体で「うつくしいくらしかた」を実践している人にヒントを教えてもらいたくて、うつくしいくらしかた研究所の電通 田中宏和が、コーディネーターの山田節子先生にお話を伺いました。
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日々を大切にすることと「用の美」
田中:山田先生は日本の伝統を現代に生かす仕事を手がけられてきました。半世紀以上にわたって携わってこられた百貨店「松屋銀座」での展示に代表されるように、その中心に「器」が据えられているように感じるのですが。
山田:特に器というわけではありませんが、365日お世話になるものでしょう? たとえば、料理に合わせて、値段の高い安いは関係なく、自分で選んだ好みの器を使って感謝していただく。「日々を大切にする」とは、そんなことの積み重ねなのだと思うのです。さらに、おもてなしや季節ごとに、ふだんと違う器を使うことで、生活の彩りが生まれますよね。<良き未来のために>をテーマとして、次はこの方に、この素材で、器に限らず、新たな企画をさせていただきたいと楽しみは尽きません。
田中:柳宗悦さんの民藝運動から発した「用の美」にもつながるように感じます。
柳宗理デザインの「ステンレスボール」、確かに大きさによって形が微妙に異なる
山田:民藝と現在の量産工芸とで 技術
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