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SDGsの実現で日本人が救われる?

 「先進国」である日本でSDGsを議論すると、誰しも無意識に「アフリカの貧しい国々を救うために」などといったおこがましい発想を持ってしまうが、SDGs実現で救うべきなのは、実は我々日本人かもしれない。確かに、日本はGDP世界第3位の経済大国であり、1人あたりGDPも世界第30位前後を推移している。つまり、相対的に見れば、十分「豊かな国」と言えるかもしれない。しかし、このGDPや1人あたりGDPというのはいささか厄介なものである。というのも、GDPは「日本国内における生産の総数」であり、1人あたりGDPは、「GDPを人口で割った1人あたりの平均値」なので、どちらも富裕層によって釣り上げられている数値だからである。より正確な数値を見たければ、平均値ではなく中央値(対象者全員のちょうどど真ん中)を見るべきだ。そこで、中央値を主軸に改めてデータを分析していくと、実は、日本が貧困に苦しんでいる国であることが見えてくるのである。 まず、年収の中央値がいかに平均値と乖離しているかだが、厚生労働省の調査によると、日本の給与所得者の平均年収は430万円前後なのに対して、中央値は376万円前後であり、実に50万円以上も下回っている。また、ここで重要になるのが「相対的貧困率」の概念である。相対的貧困率とは、OECDによって「世帯の所得がその国の等価可処分所得の中央値の半分に満たない人々の割合」と定義され

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