サツマイモと、正義
「オリジナリティ」を持つ“元気な会社”のヒミツを、電通「カンパニーデザイン」チームが探りにゆく本連載。第22回は、宮崎県の南端・串間市にある東京ドーム×10ほどの農地でサツマイモを育てる「くしまアオイファーム」のチャレンジを紹介します。
「農業」あるいは「農家」というワードに、皆さんはどんなイメージをお持ちだろうか?日本の原風景?素朴で温かみがある?土の匂い、太陽の恵み?けれど、天候に左右され、若い労働者が育たないキツい職場?いろいろなワードが頭に浮かぶ。でも、サツマイモの葉っぱがどんな色で、どんな形をしているか、サツマイモの旬は?のようなことを問われると言葉につまってしまう。
取材に先立って、いろいろな資料に目を通した。正直なことを言うと、本当に知らないことばかり。焼き芋にハマっていると自負しながら、サツマイモそのものにはこれまでちっとも目を向けてこなかった自分が、恥ずかしくなった。
池田誠会長は「強い農業」というワードを一貫して掲げている。いわゆる「強い経営」とか「強いビジネス」といったことは、よく耳にする。そのためにはIT化を進め、旧態依然とした経営体質を根本から変える必要がある、といった話だ。取材前は、そうした「強さ」と、「九州の、のどかな地域でのサツマイモ農業」が結びつかなかった。不勉強を承知の上で、池
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