「論語」から、中国デジタルトランスフォーメーションを謎解きしてみよう。第82回
本シリーズのメインテーマは「論語」に現代的な解釈を与えること。そしてサブストーリーが、中国のDX(デジタルトランスフォーメーション)の分析です。中国の2010年代は、DXが革命的に進行しました。きっと後世、大きな研究対象となるでしょう。その先駆けを意識しています。また、この間、日本は何をしていたのか、についても考察したいと思います。 先進十一の七~九 先進十一の七 『顔淵死。顔路請子之車以為之椁。子曰、才不才、亦各言其子也。鯉也死、有棺無椁。吾不徒行以為之椁、以吾従大夫之後、不可徒行也。』 顔淵が亡くなった。父の顔路は、孔子の車譲り受け、それを売って、外棺(棺の外棺)を整えようとした。孔子曰く、有能な者もそうでない者もそれぞれ、わが子である。わが子の鯉が亡くなったとき、内棺はあっても外棺はなかった。車を売ってまで外棺を買わなかったのは、身分からして、徒歩で出勤するわけにはいかないからだ。 (現代中国的解釈) 見栄えは、何よりも大切だ。実質は、あとから整えればいいし、整わなくても構わない。人民解放軍はその典型だろう。とにかく米軍と似たような兵器、装備を持っている、それがすべてだ。 (サブストーリー) IT企業、とくにプラットフォーマーは、あっという間に莫大な数のユーザーを獲得する。見栄えより先に実質が伴う。たとえば動画視聴アプリというカテゴリーのそのアクティブユーザー数(月間/日平均
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