大企業(CVC)がスタートアップとの共創を成功に繋げるための提言
0.この記事を書くに至った背景ベンチャーキャピタリストという職業柄、またJVCA(日本ベンチャーキャピタル協会)にて、大企業連携部会という大企業やCVCの幹部が集まる部会の共同代表を務めさせていただいていることもあり、大企業のオープンイノベーションに関わる方々、CVCの方々とコミュニケーションさせていただくことが数多くあります。産業間に存在している物理的障壁がデジタル化されることで溶解し、産業間の垣根がなくなっていく時代。このような非連続な変化の時代においては、既存の事業領域だけに依存する経営ではなく、新たな強みや価値を積極的に生み出していく必要があり、ほとんどの企業が、既存事業のデジタル・トランスフォーメーション(DX)や新たなビジネスフロンティアを取りにいくことを求められていると思います。ところが、大企業のオープンイノベーションに関わる方々、CVCの方々とお話をさせていただくと、ベンチャーキャピタルが組成するファンドへのLP出資や、CVC(コーポレート・ベンチャーキャピタル)を設立してスタートアップに投資をすることに留まってしまっており、事業シナジーや共創には未だ至れていないという話をお聞きすることが多く、大企業が本来取り組むべきスタートアップとの共創にはまだ距離が遠いと感じることがよくあります。現在、大企業のBS(バランスシートからの)投資やCVCが生み出しているリスクマネ
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