過去の100%全額出資での買収案件を振り返って思うこと
皆さん、お元気ですか?今回、久々に「与信管理」「リスク管理」の話題について述べさせて頂きます。テーマは「100%全額出資での買収案件を振り返って思うこと」になります。過去に、私が総合商社でのリスクマネジメント業務の中で、通常の売買売取引に絡む多くの与信案件以外に、いくつかの企業買収案件にも携わり、その買収後のグループ会社での与信管理にも携わってきた経験があります。国内外を問わず見られるダイナミックな企業買収、中でも投資金額の張る、大型買収に繋がる100%全額出資の事例もいくつかございました。結論から申し上げますと、残念ながら、事前の入念なデューデリジャンス(投資先企業の財務内容の精査を含む)の実施にも拘らず、多くの100%出資案件は、お世辞にも見事花開いたと断言できるような結果には至りませんでした。そして、その後、社内において損失の歯止めを重視し、已むなく決断した事業撤退に伴う多額の損失を被ったケースもあり、全額出資案件の難しさを露呈した形になります。言葉の通り、100%出資という意味は、買収企業を完全にコントロールできる立場に立てることを意味し、事前の株主間の調整や協議等の必要はありません。また買収企業に利益が出れば、その100%分を連結決算上、持分利益として取り込めるメリットがある一方で、逆に多額の損失を計上すれば、その赤字額の負のインパクトを全て蒙ることを意味します。100%
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