経営人材育成(2)
経営人材について前回含め5回に分けて書くと宣言しておきつつ、プロジェクトに追われてかなり間があいてしまった。我々が主導した経営人材育成プログラム構築・運用プロジェクトでは、経営人材が保有すべきスキルセットを定義しているが、その一つに「オーケストレーター」を挙げている。オーケストレーターというのは、決して私が発明した概念ではなく、既に経営者や経営学者が、表現は違えど同様の概念を提唱しているが、そのほとんどは人物の類型もしくは役割として提唱しているのに対し、我々はそれをこれからの経営を担う人材が有すべきスキルの一つとして定義していることにある。オーケストレーターは、言い換えるとすればinclusivenessであったり、巻き込む力であったり、横串が刺せる人であったり、それぞれ親しみのある言葉で置き換えて理解していただいても差し支えない。私は決して学者ではないので、そこに厳密な定義の正確さを問うつもりはまったくない。実務上有益であればそれに越したことはない。ただしあえて厳密に定義しようとするならば、少し長くなるがこんな感じである。(特に大)企業においては部門間の壁が高く、かつどの業務においても(デジタルしかり)専門性が高度になることもあって、壁は高くなることこそあれ低くはなりにくい。そこでますます重要になる能力が、異なる専門性、異なるバックグラウンド(中途採用も増えるし、グローバル化も進
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