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概念を人間は所有できるのか? 〜会社と所有者について〜

会社は誰のもの?よく見る文言であろう。タイトルの言葉に続く言説は様々だ。会社とは株主のものだ。会社とは社長のものだ。会社とは社員のものだ。会社とは社会のものだ。議論は尽きないが私自身はどれもピンとこなかった。上記の「所有者」や「権利者」はどれも流動的で掴みどころがない。そもそも会社を所有するとはどのような状態を示すのだろう。例えば、Aという株式会社があったとしよう。株式会社Aの主な構成員は株主、社長、社員である。この中の誰かが所有者だろうか。考えてみよう。株主などは所有する「権利」を取得したかと思えば、数時間後には放棄する事もある。社長は頻繁に変わる。企業によっては何年も経たず変わることもざらだ。社員であっても同様である。極めて流動的で、定まりがない。誰が所有者でも一時的なものだ。そして、誰が居なくなっても会社は倒産という心停止状態にならない限り存続する。会社の機能は粛々と働き続けるのだ。つまり、誰が所有者だとしても会社の存続自体には影響がない。本来、所有者が主体性を発揮してこその所有物であるはずだが、会社はあらゆる所有者からある意味、完全に独立している。そこではたと気がついた。もう一人、会社にとって重要人物がいる。法人格である。法人格とは、法的に主体として認められた、権利義務を行使できる法的人格の事だ。所謂、法人である。会社相手の裁判をイメージすると分かりやすい。被告でも原告でも

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