ざっくり理解する気候変動2022 (20・最終回)
総括 以上、気候変動の界隈で何が起きているかについて探ってきた。 気候変動の根拠はIPCCの評価報告書にある。 世界各国は「気候変動に関する国際連合枠組条約」に加盟しており、その締約国会議で決めた「パリ協定」に基づいて、自国における温室効果ガスの排出と吸収の目録を提出しており、またNDCなる目標を設定している(ただし全体目標に照らして、各国の目標の間に整合性は無い)。 温室効果ガスの排出削減の方策は「省エネ」と「再エネ」が二本柱である。「吸収・貯蔵」という方策も考えられるが、可能性の段階にとどまる。 日本ではNDCを達成するために「地球温暖化対策の推進に関する法律」があり、「地球温暖化対策計画」を定めている。そして同計画は「エネルギー基本計画」と整合するように作成されている。「エネルギー基本計画」ではエネルギー需給の見込みが示されており、電源構成のあるべき割合が決められている。 そこで「再生可能エネルギーの最大限の導入」ということが謳われるが、そのための政策の主力は再生可能エネルギーの導入を経済的に誘導する固定価買取制度である。これは再生可能エネルギーで生産した電力の価格にゲタを履かせることによって発電事業への参入を促すものだ。ゲタの原資は電力消費者が電力消費量に比例して支払う賦課金である。 ところが再生可能エネルギーのうち水力発電についてはすでに拡大の余地は乏しく、太陽光発電につ
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