心理的安全性の本質に迫る(後編)
コミュニケーションの本質について、早稲田大学の村瀬俊朗氏に問う本連載。コミュニケーション、コラボレーション、リレーションシップ、エンゲージメントなど、とかく横文字のワードが並びがちなこの業界だが、その正体とは一体なんなのか?村瀬氏に分かりやすく解説してもらった。
葛藤から、逃げてはいけない
「チームの本質」に迫る、本連載。最終回の本稿では、葛藤というテーマを村瀬氏にまずぶつけてみた。ひとりのサラリーマンとしても思うが、「会社のために貢献したい」という気持ちと「自身のキャリアを高めていきたい」という気持ちは、誰もが持っている。
でも、ともすればそれは、意に反する反応をまねく。SNSでの発信にしてもそうだ。自分の思いをなんとか世の中に届けたい。でも、発信をすればするほど、ネガティブな反応が届く、といったように。
それに対して、村瀬氏はこう答えてくれた。「コミュニケーションの基本は、葛藤というものにあると思います。ジレンマと向き合い続ける、といってもいい。いろいろな意見が出てくるとめんどうくさい。でも、そこから逃げていると、自身も成長できないし、チームや企業としても成長できない。効率性だけを追求していては、人は成長できないのだと思います。ネガティブなものを排除することは、それほど難しくはない。でも、そのネガティブなものの中にポジティブな可能性を見い
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