『買収してみたら現実がわかったんです』久保利英明×小路明善
久保利英明×小路明善(アサヒグループホールディングス株式会社 取締役会長兼取締役会議長)2021年7月対談vol.2久保利「従業員は会社の命だというのは、今の最先端を走っているSDGsだとか、ESGだとかこういうことを言っている経営の中では、とても真っ当な感じがするんです。どうなんでしょう」小路「もっと極端な言いかたをするとですね。私は、特に、ステークホルダーの優先順位付けというのをですね、あえてしません。また、してはいけないのではないのかなと思っています。株主もサプライヤーも顧客も社員もすべて、我々の経営企業にとっては大事な存在なんですね。そこに優先順位付けはないと」久保利「なるほど」小路「すべてが並列的に、経営戦略なり、経営に取り込んで経営をしていくというのが私の考え方です」久保利「なるほどね。そういう意味ではすごくわかりやすいんだけど、僕もそうだろうなぁと思うんだけど、わかりやすい分だけ経営の舵取りをしていくときには、選択と集中だとか、どこを最初にまずやるんだという優先順位という話は、現役の会長としてこの会社を見ていると、そこって結構悩ましい話なんじゃないですか」小路「規模が大きい経営者でも社員でも、規模が小さい経営者でも社員でも、グループの社員に対して、ホールディングは、同等の考え方を持って、相対していくということが必要だと思っているんです。私はですね。組織というのは球体論
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