地球上のエネルギーの多くが熱を生み出すために使われているが、実際はそれだけでなく、莫大な量のエネルギーが無駄に使われ、またCO2などの副産物が大気中に放出されている。こういった状況を変えるため、家庭やビル内で排出量を回収してクリーンな水素を生成するという新たなシステムを開発したのがModern Electron(モダンエレクトロン)だ。今回同社はシリーズBで3000万ドル(約34億7000万円)を調達しており、この資金を使ってその名を世に広める計画である。
住宅やマンション、オフィスなどの暖房には天然ガスを使うのが一般的だ。ガスを燃やすと、熱、二酸化炭素、水が発生するというとてもシンプルなプロセスで、熱はそのまま使用され、その他のものは捨てられていくという仕組みである。
しかし、Modern Electronの共同創業者兼CEOであるTony Pan(トニー・パン)によると、これはとても便利な方法ではあるものの、理想的ではない(確かに石油や石炭に比べればはるかにましなのだが)。
「熱を得るためだけに燃料を燃やすというのは、物理学的に見ても非常に無駄が多いシステムです。天然ガスや石炭、バイオ燃料を発電所で燃やすとしたら、まず電気を作るはずです。電気は熱の約4倍の価値があるからです。しかしなぜそうしないかというと、発電所の技術を商業施設や住宅のレベルまで縮小することができないからです。
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