面接が「変なコミュニケーションの場」になっていないか
私の本業は人事コンサルタントですが、最近なぜか就活生向けのイベントをやることが増えました。模擬面接をすることもあるのですが、そこで感じたのは「面接で何をどう話すべきなのか」の認識が、就活生と面接担当者との間でかなり違うということでした。
そして、その違いは、面接という場を「とても変なコミュニケーションの場」にしてしまっているのではないかとも思いました。いったい誰がこの認識の溝を作っているのか分からないのですが、微力ながら溝を埋めるために本稿で解説したいと思います。(人材研究所代表・曽和利光)
抽象的な話をしても「情報量はゼロ」
まず、学生はどう考えているのか。彼らは「面接では、分かりやすく話すように」と言われ、次のように指導されているようです。
「結論を先に言え」(「結論ファースト」が合言葉にさえなっているようです)
「要点をまとめてポイントにせよ」(私の××は3つです、等)
「簡潔に、端的に話せ。長く話すぎるな」
「最後に必ず『まとめ』を入れよ」(結論の再確認や「学んだこと」など)
しかし、少なくとも採用面接をする立場からすれば、これらのことはすべて余計なおせっかいで、できればやめて欲しいことなのです(異論はあるでしょうが)。
なぜなら、これらのアドバイスを忠実に実行しようとすると、話がとても抽象的になってしまいがちだから
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