アイデア資本主義・・行動観察調査を通じてインサイトの導出や新しいビジネスシーズの創出
以前、大阪ガス「行動観察研究所」エスノグラフィ “新しい発想を生み出すには、データ分析よりも現場で1次情報を集めることが何より大切”という話をしました。今日は、行動観察調査を通じて、アイデアをもつ人が投資を集めるアイデア資本主義についてです。「お客様の声」から良いアイデアが生まれない理由、発言よりも「行動」に着目することの重要性についてです。古典的な例では、「ユーザーは、日々の業務で使うコピー機のボタン配置や高度な機能に開発者が期待する程度には注意を払っていない」というインサイト(潜在ニーズ)が調査から導かれ、それをもとに「いちばんよく使うボタンだけ目立つようにしておけば使い勝手が向上する」というアイデアに行き着きました。言われてみれば当たり前のようにも聞こえますが、製品開発者など、当該製品に詳しい人や思い入れの強い人がこうしたことに気づくのはなかなか難しいものです。また、コピー機を使っていたオフィスワーカーたちは、「コピーをとるのは面倒だ」とか、「機械の操作が難しい」といった感想は抱いていたかもしれませんが、「コピー開始ボタンだけを目立たせて欲しい」とはおそらく考えていなかったでしょう。「コピー機で改善して欲しい点は?」と直接問うてみたとしても、考えていないことは回答として出てきません。調査対象者の発言ではなく行動に着目することで、対象者自身も気づいていないようなインサイトが得ら
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